Enjoy Mom

〜子育てを楽しむママのブログメディア〜

【レポート】イライラしない子育てシンポジウム〜アンガーマネジメントとアドラー心理学に学ぶこれからの子育て〜

f:id:clara0101:20160320223147p:plain

 

ベルサール汐留で行われた「イライラしない子育てシンポジウム

〜アンガーマネジメントとアドラー心理学に学ぶこれからの子育て〜」

に行ってきました。

 

そもそもこのシンポジウムに興味をもったのも、

今は子供に対してあまりイライラしていないものの、これからくる反抗期とか

イライラするかもしれない子供の成長に対処しておきたかったのと、

実は身近な存在であるパパが怒りの発散が上手ではなく、悩むこともしばしば。

怒鳴ったり怒りのスイッチが入ると歯止めがきかず、子供への影響も心配して

アンガーマネジメントという言葉にピンときました。

 

 

日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さん、

アドラー心理学に基づく事業をしている岩井俊憲さん、

乙武洋匡さんの3人がスピーカーとなりそれぞれの立場から

イライラしない子育て、子供の個性を伸ばす子育て、

アドラー心理学による勇気づけの子育てについて話してくれました。

 

 

いくつか私の琴線に触れたお話からちょっと議事録と私の感想を交えて

行けなかった人のためにまとめましたので、ご興味ある方は長いですが

どうぞ、読み進めてください。

 

 

▪️日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんのお話

ーアンガーマネジメントとは

怒る必要のあることは上手に怒り、怒る必要のないことには怒らないということ。

つまり、怒りと上手に付き合うということ。

怒るという感情は、人間である以上生まれてしまうもの。

上手な怒り方というのは、誰も傷つけない自分も傷つけない何も壊さない

 

ーなぜ、間違った怒り方や争いが生まれてしまうのか?

shoulo(〜すべき)、must(〜しなければならない)という考え方が、

自分と相手を苦しめてしまう。should、mustしかないという強いこだわりは時に、

相手への価値観の押し付けになってしまう。

 

ー怒りのメカニズム

実は怒りをはじめすべての感情は、自分で選択している。

→この考え方は私にとって、目からウロコでした。怒っている時って何か衝動的に、

生まれた感情のように思いがちですが、実は瞬時に今この人に怒ろう、

という選択をしているというんです。ここがポイント!

つまり、選択をしているという以上、実はコントロールできる感情なんだそう。

 

 

▪️岩井俊憲さんの「アドラー心理学による勇気づけの子育て」

アドラー心理学的には、

感情は、ある状況で、特定の人(相手役)目的(意図)を持って、使われる。

ここでポイントなのは、必ず、「相手」がいて初めて感情が生まれるということ。

 

ー怒りという感情の目的とは?

・相手を支配する

・主導権争いで優位に立つ(夫婦喧嘩などでは効力を発揮しますね...)

・権利擁護

・正義感の発揮(〜であるべき、からしなければという信念がある)

などがあるそう。

 

ー怒りと深く関係する劣等感

劣等感は、ただ劣っているというだけではなく、妬み、嫉み、恨み、つらみなど

あらゆる感情の総称を指すそう。

劣等感には2種類あって、

1)他者との比較(競争的人間関係)

2)対自的劣等感 ※

  ※)アドラー心理学的にはこの対自的劣等感は、正常な努力であり、成長の刺激となるとされているそう。

 

アドラー心理学からみた子育てのあるべき姿

操作、支配する親ではなく、信頼、支援する親の姿勢が大切。

・子供が願ったとおりに成長して生き生きと暮らせることが重要。

親が〜すると、子供が何を学ぶか?ということを常に考え、

子供の心で、目で、耳で、どう感じるか?という子供視点で共感すること。

→そのために必要なのは、尊敬信頼

 

ー子供を尊敬(respect)するとは?

人それぞれに違いがあるが、人の尊厳には違いがないことを受け入れ、礼節をもって

接する態度。

re(もう一度、距離を置いて)/spect(見る)という姿勢。決して上下関係ではない。

 

ー子供を信頼するとは?

そもそも、信用と信頼の違いを理解すべき。

・信用とは、相手の悪意を見極めた上で信じること→条件つき

・信頼とは、相手の善意を探して信じること   →無条件

 

この概念のもと岩井さんが、あなたの過去に「信頼」してくれた人のことを思い浮かべて、どう思いましたか?という問いをしてくださって、

私は真っ先に自分の親の姿が思い出されて、私が何をしても、いつも私の考えを大切にしてくれ、好きにさせてくれたという信頼に、絶対的な安心感を得たことを思い出しました。そのように、信用、信頼というのにはミラー効果もあるということ。

確かに条件つきで「信用」されている相手に対しては、こちらも懐疑的になってしまうけど、無条件に「信頼」してくれた相手に対しては、こちらも、信頼するようになりますよね。

 

 

ー子供を信頼するってどういうこと?

親が知らない子供の領域について、詮索せず、受け入れること。

1)とにかく、受け入れることを決意すること。

そしてどんな結果になったとしても、受け入れるという決意もしておくこと。

2)受け入れるには忍耐が必要。

 

ー子供を尊敬し、信頼した上ですべきことは?

子供をほめるのではなく、勇気づける。

 

ー勇気づけるとは?

困難を克服する活力を与える。

子供が自分で自分を勇気づけられるようになること。

 

 

アドラー心理学、初めて知ったのですが知れば知るほど、なんだか人間関係が

良好になりそうだし、考え方ひとつでなんだか小さな幸せに感謝できそうな考え方で

これから深めてみたいと思いました。

 

 

▪️乙武洋匡さんの「子供の個性を伸ばす子育て」のお話

乙武さんは3児の父、そして教員経験などを交えて楽しくお話してくださいました。

 

乙武さんが心がけているのは、とにかく自分の価値観を押し付けないということ。

例え話で、もし自分の子供が同性愛だった場合の話が出ていましたが、

自分や世間の「それはマイノリティーだから恥ずかしい」等の考え方をせず、

自分の中の引き出し(知識、経験)を増やしてそれに対して、寛容に捉えたいと。

 

 

ーとある少年のお話。

乙武さんがスペイン行きの機内で会った少年の話から。

その少年は、中学でサッカー選手になりたいという夢を叶えるためスペインに

サッカー留学中だったそう。それに対して、その親ってすごいよねと。

だって、普通の親だったら、叶わないかもしれないサッカー選手という人生より

つぶしの効く人生を考えて、せめて高校まで出なさいとか、地元のサッカーチームに

入れさせるとかするよねと。

でも、そもそもつぶしの効く人生って何?という問い。

本当に高校まで出たり、それでいい会社に入れる?そんな時代ではないということ。

もし仮に彼の夢が叶わなかった場合でも、彼がスペインで身につけた語学、

異国の国で夢を追いかけるというハングリー精神、異国からくる仲間との出会い、

そういうものの方が将来的に、彼にとっては身になるだろうという考え方。

ちなみに乙武さんも、自分の子供には義務教育である中学校までしか入れないそう。

そのあとは自分で考えさせて、何をしたいのか、どうしたら自分の可能性が広がるか、

というのを選ばせると言っていました。

 

確かに、昔だったらレールに敷かれたいい大学、いい会社という安定した人生が送れる

保証はあったけど、今はいかに人と違うスキルや価値観を持っているかという方が

重宝がられる時代になったのだというのを再認識させられるきっかけになりました。

 

▪️3人のトークセッションから

(以下、安藤さん=安、乙武さん=乙、岩井さん=岩)

Q.なぜ今の日本はイライラしている人が多いのか?

(安)価値観が多様化してきている。そしてその価値観に対して寛容的になれず、

価値観の押し付けが起こっている。

 

(乙)村八分という言葉があるように、やはり日本は村社会。同じ村(考え)の人

は同質で仲良くできるが、それ以外の人は批判するという傾向にある。

 

(吉)乙武さんの村八分という意見に同感。だが、実際は村五分ぐらいに思って

いたほうがいい。must,shouldという価値観が自分と相手を苦しめるのだから、

何かイライラすることがあったら、not always (必ずしも〜とは限らない)という

言葉に心の中で置き換えるといい。

 

ー子供にとって、人間にとっての幸せとは?

(乙)自分がハンディを持ちながらも教育を受けて、今こうして色々な仕事にチャレンジできているように「選択できること」だと思う。

 

(吉)アドラー心理学的には、人間の究極の幸せは「貢献すること」

これは、私にとってすごく刺さりました。自分が幸せになることばかり考えて、

とても利己的になっていたのを反省。とにかく家族や周りの人の役に立つことを

考えていれば、確かに幸せな気持ちになれますよね。

 

 

ー怒りをぶつけられた時はどうする?

(安)怒る人は矛先を固定化できない。つまり、家庭で怒る人は、職場でも怒りがあったり、その怒りが子供にも現れたり、怒りが連鎖するという側面がある。

子育てにおいても、喜怒哀楽の感情表現のくせは家庭で身につく。

子供の感情は親のコピー。

 

(吉)自分が争いのモードに入るか、入らないかを選べる。受け取らなければいい

ダンテの言葉で、「お前の道を進め、人には勝手なことを言わせておけ」というのを

信念としている。

あとは、環境、生き方、生活を彩るセルフトレーニングを行う。

そして感謝して毎日を送る。

いい出会いが自分を変えるように、自分を勇気付けてくれる人に感謝する。

自分から発するマイナスな言葉をプラスに変えて、イメージ、人生をプラスに運ぶ。

 

(乙)自己肯定感を持って生きている。隣の芝は青く見えるものだが、芝だけに

集中しているとそう見えるが、そのポイントに集中せず全体を見る。

 

 

ちょっと遅れて参加してしまったイベントでしたが、イライラしない子育て、

というテーマだけではなく、忙しくしていると見落としてしまいそうな日常の

ちょっとした問題や、子育てをもっと楽しもう、子供の個性の伸ばし方や、

教育方針がぼんやり見えてきた実りあるシンポジウムでした。

3人のお話にもあったように、

1)子供には自分らしい自分が選んだ人生をのびのびと選択できるような環境を

与えてあげよう。

2)そのためには、世間一般の常識や凝り固まった自分の価値観で決めつけず、自分の経験や知識を増やして、とにかく寛容的であろう。

3)感情との付き合い方を学び、子供や家族と共有して平和に暮らそう。

4)私は特に今は主婦で時間があるので、家族のためを思って行動することを心がけ

、貢献することによって幸せになろう。

 

と思いました。

ちょっと真面目なイベントに参加してみましたが、子守をしてくれたパパに感謝。

ママになっても、いろんなことを学べて幸せ者です。子供は私の教師。

日々私も成長させてもらって感謝です。